朝会社の電話が鳴った。
古くからの付き合いのある会社で、毎日荷物を持ち込んでくれている。
そこの女社長から「怒り」の電話が入ったのだ。
上司は電話で平謝りしている。
でも収まりそうもない勢いだ。
経理に訳を聞いたら驚いた。
持ち込んでくれる荷物は「月末締め」の「翌月10日支払い」で決まっていた。
相手の「当座」に入れることになっていた。
その会社に取引銀行から電話が入った。
「当座にお金がないので引き落としができない。」というもの。
女社長は慌てて「そんな筈はない。あの会社から毎月入っている筈。」と。
銀行は「いえ、この1年間全く入金はありません。」と言われた。
とりあえず他の口座から資金を移し、改めて通帳を調べたらしい。
やはり1年間1円も入金されていなかった。
「怒髪天を衝く」ような怒りよう。
僕は営業だったが、この会社の運転手しか知らない。
その会社に行ったことも、社長に会ったことも話したこともない。
会社が資金繰りに困っている感じは伝わってきていたが、1年間も放っておくとはビックリ。
何とかお金は工面して振り込むようにしたが、先方の怒りは収まらない。
すると上司が「君が行って謝ってきてくれ。これは業務命令だ。」と言った。
都合よく「業務命令」が発動する。
「普通上司であるあなたか、先輩が行くもんでしょ。」と言った。
すると「自分も彼も今日はどうしても外せない用事があるから、頼む。」と。
会ったことも電話で話したこともない社長。
その人が「激怒」している場面に放り込まれる。
さすがに「経理も一緒に連れていきます。そうでなければ行きません。」と伝えた。
「じゃあ経理も連れて行ってくれ。」と言うと、経理が露骨に嫌な顔をした。
嫌な顔をしたいのはこちらだ。
先方会社に着いたら、とにかく信じられないほど怒られた。
訳1時間怒鳴られ続けた。
この女社長、凄いパワーで怒鳴るのでずっと下を向いて「ハイ。ハイ。」と答えていた。
でも60超えた女性が疲れないわけない。
さすがに大きな声を出し続けて「疲れ」が見え始めた。
社長室の机の後ろの壁に立派な「特許」に関しての賞状のようなものが貼ってある。
実は目に入るのでずっと気になっていた。
そして相手が疲れて喋るのを止めた時に僕が話した。
「社長、実はさっきからその特許のやつが気になっているのですが・・」と。
すると突然「あら、分った?これ会社で特許を取ったの。最新式の部品加工の技術よ。」と笑った。
この機を逃すわけにいかないので「凄いですね~」とおだてて、話をその製品の方に持っていった。
社長も実はもう言うことが無くなっていたので、丁度いい切り返しだった。
その後は「長い付き合いだからといって、今後はしっかりお願いしますね。」と言われた。
帰りに経理が「いやあ参ったなあ~、来たくなかった。」と言う。
「ふざけるな!」と言うのはやめておいた。
まあこのような上司だから、最終的に僕が愛想をつかした形になった。
先輩も同様で「責任回避」を平気で行う。
上が責任を下に押し付けたらどうなるか?
嫌になるに決まっていますね。
ギンポ



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